妻とのささいな闘い
長女と長男の洋服を買いに行った。
妻いわく、成長したため、今ある服のサイズが合わないそうだ。
洋服選びは私の出る幕ではない。
妻が買い物に集中できるように、私は次女の面倒を見ながら店内をぶらつく。
店内は退屈だった。 洋服など全く興味がないので、時間を潰すのは本当に苦痛だった。 そして妻の洋服選びの時間は本当に長い。 娘を抱っこしている腕はもはや感覚がない。 歩き過ぎて足も攣りそうだ。
買い物開始から30分くらい経ち、私は妻のところへ行き、物申そうとした、もう帰ろうよと。
妻はま〜だ洋服選びの途中だった。 このノロマが!
何を探しているの?と聞くと、
「今90センチの服を着させてるんだけど、もう小さいから95センチのやつ探しているの。」
この言葉に、私の堪忍袋の緒が切れた。
私は中学生の頃、3年間で30センチ以上も身長が伸びた。 しかし、制服を買い換えることなどしなかったぞ!
大きめのサイズを購入したのだ。 成長してサイズが小さくなっても、我慢して大事に卒業まで着ていたんだ。
90センチから95センチに成長だと!
30センチ成長した私が買い換えなかったのだから、5センチの成長など話にならない。 ふざけるな。 服もタダじゃないのだから。 節約しなさい。と思いを伝える。
妻の顔が怒りの表情へと変わる。 眼には殺気が込められている…
「で、でもやっぱり必要なものなら買うべきだよね。」
夫としての寛大な心を十分にアピールし、私は妻から離れ、また店内をぶらつくことにした。